ESSAY

進学の目的を明確に −小論文や面接、問われる意欲−
代々木ゼミナール国際教育センター課長 斧研親明

 日本国内の大学入試状況は、長引く不況を背景に受験生の国公立大指向が一段と強まっている。これは学費が安いこと(特に理系)や、私立大と比較すると教員1人あたりに対する学生数が少ないことなどがその理由である。一方、私立大の志願者は減少傾向にあり、受験生に選ばれる大学とそうでない大学の二極分化が進んでいる。帰国生大学入試においては、有名大学に志願者が集中し、受験生が「入りたい大学」に合格するには、それ相応の学力が必要なのは現在も変わっていないのが実情である。
 帰国生大学入試では、1:書類審査、2:学科試験、3:面接試験の結果を総合的に評価するという大学が一般 的であるが、どこに比重を置くかは大学により様々である。大学はこれらの審査を通 して、現地の教育でどれだけ頑張ってきたか、日本語能力、異文化体験の充実度などを見ようとしている。合格のためのポイントを4点ほど挙げてみたい。
 一つ目は、語学力を含め海外での学業成績を充実させることである。現地校の成績を上げておくと書類審査で有利になる。現地でしっかり努力できた者は、大学に入ってもしっかり学んでくれるだろうと大学側は考えている。TOEFLや国家統一試験のスコアアップに努めることも重要である。良いスコアを持ち帰ることができれば、大学選択の幅が広がり自信にもつながるだろう。
 二つ目は、日本語の読解力・記述力を高めることである。日本の大学で学ぶ以上、日本語の文献を正しく読み、自分の考えを論理的に表現できる能力が求められる。
 三つ目は、大学・学部の進学目的を明確にしておくことである。なぜ日本の大学に進学したいのか、なぜその大学を志願したのか、志望学部で何を学びたいのか。出願時に志望理由を書かせる大学もあるが、小論文や面 接でもチェックされる。
 近年、小論文で志望学科の専門に関するテーマの出題が増えている。志望した専攻に対し、本当に普段から興味・関心を持っているのか。入学してから、その専攻に関する学問・研究に取り組む意欲と適正・能力があるのかも知りたいと考えている。大学に入学し、その学科に入った時に4年間きちんと勉強をしてくれる学生を求めているのである。
 四つ目は、海外体験である。これはクラブ活動、ボランティア活動、友人との交流など現地での生活にほかならない。大学は何事に対しても積極的にチャレンジできる個性的でバイタリティーあふれる帰国生の入学を期待しているのである。
 
難関理系学部は日本の教科書も
 これらに加え理系学部の場合は、数学と理科の学力が問われる。特に早稲田大学や難関国立大では、一般 生入試レベルの問題が出題されるので、日本の教科書や参考書を入手し早めの準備をしておきたい。
 日本の大学への受験対策といっても、まず現地校の勉強を精一杯やることが必要だ。その中で外国語力(英語力)や入試に必要な学力、思考力を身につけることができる。滞在国の政治や経済、地域社会の問題点など時事的な問題にも関心を払い、現地の生活のなかで日々問題意識を持って過ごすことも大切だ。現地や日本の新聞にも目を通 すようにしたい。帰国生大学入試で重視される日本語力の強化には、代々木ゼミナールの「海外通 信教育ブーメラン(国語・小論文対策)」で添削指導を受けると効果的である。
 滞在国でしかできないこと、高校でしかできないことに励んでほしい。その経験や努力は必ず将来役立つはずである。充実した海外生活を送ることが、帰国生大学入試を突破するうえでも最大の対策になるはずである。  


| ESSAYメニュー |