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●向こうではレポートを書けばいつもA
「なんでこんなに真っ赤になるの?」と言って詰め寄ってくる生徒が今年もまたいました。曰く、「向こうの学校じゃいつもエッセーは褒められていたのに、どうして代ゼミ来るとこんなに訂正されることになるんだ。」代々木ゼミナール帰国受験課程の「帰国英文エッセイ」という授業の一場面です。
その生徒は本当に海外にいたときAをたくさんもらっていたのでしょう。見栄を張って嘘をついているとは思いません。むしろ、事実であり、もっともな反応だと思います。
●なぜいつもA?
外国人(非英語圏出身者)のエッセーを採点するとき、現地校やインターの教師たちは細心の注意を払うものです。文法などの表現方法を事細かに訂正していたら、やる気もそがれるだろうし、その生徒にとって英語が外国語であるというハンディを強く打ち出すことになり、差別的だとされかねません。そこで、英語として「まとも」であるかどうかを別にして、「内容の理解度を測る」ことを中心に成績をつけるのです。おのずと英語の表現力と関係なくAをもらえたりするのです。ありがたい配慮ではありますが、問題もあるのです。
●2つの評価方法
もう少し詳しくお話しましょう。実は、エッセーの評価方法が二つあるのです。一つは、テクニカルな部分を中心とした評価で、文章の形式や構成、文法や語彙の選択、文体などの表現方法、つまり英語としての正しさや英語らしさを主に評価するものです。
今一つは、内容に対する評価で、「テーマを理解しているかどうか」「的外れの話になっていないかどうか」「設問を誤解していないかどうか」「個性的な内容であるかどうか」を中心に見るものです。
●外国人割引
多くの生徒がAの評価をもらうと、この両方の評価方法においてAをもらったと思うものです。ところが、その実態は英語としてどんなに違和感があっても、内容的にAであればAとして評価されているのです。両方の評価方法で評価されているネイティブスピーカーに対するAとは間違っても同じものではないのです。つまり、これが私の言う「外国人割引」なのです。せいぜい「『頑張ったで』賞」といったニュアンスのAなのです。
●本当の実力は?
厳しい結論を先に申し上げましょう。帰国時点で入試レベルのエッセーを書ける帰国生は百人に一人か二人しかいません。海外で メAモ
や メexcellentモ と評価された文章を何回も見たことがありますが、exam essayの基準で見ると、高く評価できるものめったにありませんでした。
外国人割引の評価に満足していれば、当然あまりテクニカルな部分でスキルが伸びることを期待できません。だから、当然といえば当然なのです。
ごく稀な例外を除いて、現地校やインターに3・4年通ったところでたいしたエッセー・ライティングのスキルが身についているとは期待できないのです。
例外的な場合というのは、もともと国内にいた段階で英語力が十分に備わっていた場合です。こういう人たちは1・2年だけ海外に行っただけでも飛躍的に英語力が伸びるものです。
●そもそも論
ちょっと想像してみてください。関東地方で生まれ育った生徒が親の転勤で3・4年間沖縄の学校に通ったとしましょう。ではこの生徒はその期間中にウチナーグチ(沖縄の方言)が地元の人たちと同じように話せるようになるでしょうか。もちろん答えは「否」でしょう。
そもそも日本国内でもこのようなことが言えるのですから、言語的に全く異なる英語が数年の海外滞在でネイティブスピーカーのように話せるようになるとは考えられません。ましてや、論説系の文章を書けるようになることは期待できません。
●すべきこと(対策)
最も大切なのは、数年間現地校やインターに通った程度ではたいした英語力が身についていないはずだということと、自分の文章に対する評価が割り引かれていることを十分自覚することです。
その上で、現地校・インターの教師に対して、How can I improve this paper? と言ってより細かい点まで徹底的に訂正(correction)することを求めることです。
具体的なキーワードとしては、@word choice、Acollocation、Bgrammar、Cmechanics、Dstyle、Estructure
and rhetoricがあります。これらを中心に見てほしいと言うのです。もちろん教師によっては嫌がることもあるでしょう。しかし、そこは怯まずにもう一度頼むか、面倒見の良い教師を探してその先生に頼んでみてください。
●最後に:謙虚に貪欲に
海外にいる間にいくらエッセーでAをもらっていても、帰国枠の入試で必ずしも通用するわけではないことをよく理解していてほしいものです。
また、自分の英語力に対してぜひ謙虚であってほしいと思います。だからこそ、もっとうまく書けるようになろうと貪欲であってほしいと思います。そして、海外にいる間にできる限り英語力をつけておいてください。
最後の仕上げは代々木ゼミナールの国際教育センターで各講師をはじめ、この大島 "鬼軍曹"昇が担当しましょう。教室で手ぐすねを引いて待っています。
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